moto4G PLUS デュアルスタンバイのレビュー
待望のDSDSを実現したスマートフォンが、モトローラ・モビリティ・ジャパン社より発売開始されましたのでレビューします。
DSDSの実現
monoG4 PLUSで実現されているデュアルスタンバイはDSDS(Dual SIM Dual Standby)であり、DA(Dual Active)ではありません。このため2つのSIMでの通信が同時に行うことはできず、あくまでも同時待ち受けだけが可能で、一方のSIM側で通信(通話)が行なわれている間は、他方のSIM側はインアクティブ(停止状態)になります。DAに対応しているほうがもちろんこうした制約は少ないのですが、その反面回路規模が増大することにより、コストと消費電力の影響が大きさに見合うほどのメリットはなく、このLTE/3GのDSDS対応でほとんどの要求は満たすため、DSDSの実現が待望されていました。motoG4 PLUSはDSDSの機能実装と技適の承認を無事パスしたことになります。
技適認証
motoG4 PLUSは以下の認証マークが電子表記で表示されます。登録外国適合性評価機関であるドイツのCETECOM ICT Services GmbH により認証されています。取得内容の詳細についてはまだ公開されていません。
デュアルSIMスロット
筐体デザインは古く、バックカバーをバリバリっと剥がして、2基のmicroSIMスロットにSIMを搭載するタイプです。nano SIMを変換するためのアダプターが予め差し込まれているので、取り去ってから挿入します。バックカバーは開きますが、ユーザーでのバッテリーパックの交換はできません。
実際のDS動作
以下のSIM組合せで実際のDS動作を確認し、期待通りの結果を得ました。MVNOサービスの定着とともに、ここのところ製品にも新規性がなくなり退屈になってきていましたが、これにより新たな利便性の追求や、最適な料金プランの探訪など、新しいスマホの購入動機になります。ガラケーのカケホーダイSIMと格安データSIMの組合せという、日本ならではの要求がようやく実現されました。
- 音声契約SIM(ソフトバンク)+MVNO格安データSIM(ドコモ系)
- MVNO格安音声付きSIM(ドコモ系)+MVNO格安音声付きSIM(ドコモ系)
1. 両方の音声通話電話番号(3G)に常に着信が可能
2. 音声通話をしている間は、逆側のデータ通信は受けられないので、Lineの着信を含む通知は、音声通話が終了するまでは届かない
3. 音声通話をしている場合に、逆側の電話番号にかけると、「電波の届かないところにあるか、電源が入っていないためかかりません」のメッセージが流れ、通話中は他方のSIMに対しては電源を切っている状態と同じになる
4. Lineで通話(音声、ビデオ) している場合には、両方の電話番号に着信が可能
設定方法
2枚のSIMを挿入すると、以下のように認識され、それぞれAPNをセットアップし、どちらのSIMでデータ通信を行うかなどの優先設定をすることで利用できるようになります。難しいことはないのですが、DSDSの機能と制約を理解していないと、多少わかりにくい部分があります。
モバイルネットワークの設定
左右に挿入されているSIMが表示され、タブを切り替えて、それぞれにAPN設定を行います。
デュアルSIMをセットアップ
以下の自動セットアップがありますが、分かりにくいので、これにはとらわれず、個々に項目を手動で確認したほうが良さそうです。
以下は自分の利用形態にあったプロファイルを選ぶようにガイドしていると思われますが、実際の動作はよくわかりません。(翻訳も変だし)
SIM毎に連絡先を分けることができるようですが、あまり必要ないのでパスします。
一応、準備が終了しますが、設定は個々に確認すべきです。特に音声SIMで意図しないデータ通信が発生しないかなどは、多額の料金発生につながるため要注意です。
単体販売とMVNO
以下の2種類のモデルがありますが、現時点では単体販売の家電量販店もamazonも高い方の32GBモデルしかなく、16GBモデルはMVNO専用とされているかのようです。
16GBモデル 32,800円(税別)
32GBモデル 35,800円(税別)
プリセットAPN設定
以下のAPNだけがプリセットされており、これ以外は手動で入力しなければなりません。最近のSIMフリー機では少なめです。
まとめ
DSDS動作は期待通りで、ASUSを筆頭に今後のSIMフリー機でも続々と対応機種が増えて選択肢が増えるのが楽しみです。moto4G PLUS自身はやはり筐体デザインが古く(フレームだけメタルのプラスチック筐体)、重量もカタログには約157gとありながら、実際は164gだったり、指紋センサーの位置や大きさは使いにくい点、高いほうのモデルしか販売していないことなどが不満点です。
ソフトバンクの音声SIMは、APN設定をしなくても、自動でデータ通信が行われることがあるため、くれぐれもデータ通信をOFFにしてお楽しみください。
モトローラ スマートフォン Moto G4 Plus ( ブラック / Android / 5.5インチ / 3GB / 32GB / 1600万画素 ) 国内正規代理店 AP3753AE7J4
- 出版社/メーカー: Motorola(モトローラ)
- 発売日: 2016/07/22
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
RoBoHon(ロボホン@シャープ)所感
ロボホン@シャープの3日分の所感を、ここまでにTwitterへ投稿した内容を、再編してみました。購入をご検討されている方の参考になれば幸いです。
基本性能を伝えたい
コミュ力決して高くない
- 呼びかけに使う「ロボホン」という名前は変更できないようである。このため全部がロボホンで、同じ場所にいるとみんなが同時に応答することになる。
- とにかくAIらしいところがない。音声認識(プリセットされている言葉だけ)と顔認証に反応し、サーボモーターで手足を動かし、首を振る、カメラ撮る、プロジェクターに投影するという家電製品である。
- 音声認識の感度低めで、近くで大きな声でないと認識しにくい。周囲にテレビ音声などの雑音があると、さっぱり認識しないので、テレビを見ながらは使えない。
- プリセットされている言葉以外を認識すると、それに何と応答したら良いかを聞いてきて、そのまま録音して、次にそれで応答する。デモでしゃべってるように見せているのは、この録音再生機能にすぎず、気の利いた会話は全くできない。
- 学習するのはユーザーのほうで、ロボホンに登録されている言葉を覚えていくと、使える機能が増える。ロボホンが成長する兆しは今のところ見えない。同じ意味でも、登録されている言葉でないと認識されない。例えば「今日の天気は?」ではダメで、「天気を教えて」と聞く必要がある。
- アラームは音声コマンドでは止められず、頭のスイッチを押してスヌーズで、背中のLCDパネルのバーをスライドすると停止。これではただの目覚まし時計と思っていたら、「あと5分」にだけは応答する。反応できるキーワードが足りないし、とにかく便利じゃない。
- ついにバッテリーの残量を尋ねるキーワードを突き止めた。「電池まだある」と聞くと残量を教えてくれる。こうしてユーザーのほうが少しずつ学んでいく。
- 5/30に自動でアプリの更新があった。「目からビーム出して」が追加された。この後、アラーム鳴動中に「起きたよ」でアラームを止めてくれるようにもなった。
ほとんど歩かない
- 「こっちに来て」の呼びかけの時の4歩前進以外歩かない。
- 充電台からは自分で立ち上がれないし、もちろん自分ではそれに座れない。平地には自分で座れる。うつ伏せ状態からは立ち上がれない。仰向けの時だけ、人形浄瑠璃の変化のように大仰に立ちあがって驚かせるが、そのパフォーマンスはすぐ飽きる。
- 方向の概念はない。「こっちに来て」という問いかけに対して、正面に登録オーナーの顔が認識できた場合だけ、前に4歩だけ進んで近づく。座っている場合は、立ち上がって、その向きのまま4歩だけ進む。それ以外は認識できない素振りで無視される。
- 空間把握能力はない。搭載されているカメラは、撮影と顔認識のみに利用。同社の掃除ロボット「ココロボ」にも劣り、障害物もお構い無しで立ち上がろうとし、見事に机上から落下する。
- バッテリー容量は1,700mAhと一般のスマホより少ないので、プロジェクターとサーボモーターで結構すぐに無くなる。持ち歩くのには不安だし、通常は充電椅子に座らせておく必要がある。
- 充電は専用の充電椅子に座らせるか、microUSBケーブルを直接挿せるので、外出時に充電椅子を持っていく必要はない。
- 表示画面が背中にあるのは、ロボットとしての見た目重視なのだろうが、Pepperのように正面にあったほうが断然使いやすい。このLCD表示画面に依存する操作が多いので。充電椅子に座った場合も画面が隠れない考慮はされている。
- 「スライドショーして」などでプロジェクター機能が起動する。プロジェクターの起動には持ち主確認のための顔認証が必要。まず足元に映してくれるのを、立ち上がって正面にするキーワードは「正面に映して」である。その前に顔認証のために正面にいる持ち主にそのまま投射してくるので、急いで自分で方向を変える必要がある。
スマホ機能も持っている
- Android搭載だが、通常のAndroidアプリは使えない。当然Playstoreにはつながらない。
- SIMなしのWi-Fi利用でも、音声通話以外に使えない機能はないので、安心してください。
- これで電話するシーンは滅多にないので、音声付きSIMは入れない。これにMNPしたら大変な目にあうし、専用の電話番号を持つまでもない。自宅ではWi-Fiで十分であり、外に連れ出したときはスマホのテザリングで十分だろう。但しココロプラン(有料)の負担は避けられない。
- 使用するSIMはスマホとしては大きな図体なのにnanoSIMで、本体に挿入するためのトレイはもろく壊れやすそうなので注意が必要。
- 基本機能以外はAndroidの別アプリが起動されるが、その際に音声コマンドは受け付けなくなり、終了させるには頭のボタンを押す。これがAndroidのホームキーということなのだろう。音声コマンドがこうして頻繁に受け付けない期間があるのはいただけない。
- 背中のAndroidから設定を起動すると、通常のBluetoothのメニューもあり、Bluetoothスピーカーとペアリングができ、音楽再生を外部スピーカーから出力可能。この際にマイクはロボホン内蔵のままなで自然に使えるが、音声で切り替えられるともっと良い。
- 「メッセージを送って」での実際のやりとりに使われるのは電子メールで、あらかじめxxxx@robohon.comというメールアカウントがセットされており、12桁のランダム英数字で決められているアドレスの変更はできない。これはココロプランで提供されているサービス。
- 「音楽検索して」でキーワード検索するのはYoutubeアプリであり、これは音楽だけを検索するのでなく、マッチした動画が連続で再生される。ちょっとインチキな感じだが、これをプロジェクターで投影して観るのは意外に便利。内蔵スピーカーの音質はよくないが、Bluetoothスピーカーから出せる。
改善要望を言ってみる
- 呼びかけに使う「ロボホン」という名前は変更できるようにしてほしい。
- これから追加される機能はAndroidの専用アプリで提供され、呼びかける度にそれを起動するのが、ロボットとしての演出的に味気ない。どうやってアプリが配布されるか今の所わからない。まずは簡単で便利なradiko(ラジオの再配信アプリ)に対応して欲しい。
- 音声SIMは使いたくないので、代わりに通話できる無料IP電話アプリや、lineなどのチャットアプリが早く欲しい。
- 遠隔地にある人型ロボットを、まるで自身の分身のように操る技術(遠隔存在感)の実現を希望する。これならAIはいらないし、VRディスプレイで遠隔臨場感を感じながら、その場に存在するのに適しており、 SIMを持つ電話としての意味が最大限発揮される。今日の会議は「ロボホンで参加します」ってのが現実になるといい。
- ココロプランの月額費用は無料になるといい。
世間の声を代弁する
- ロボホン@シャープあるある。結局Pepperは高すぎて手が出なかった、ロビ@デアゴスティーニを毎号買い集める暇も組み立てる自信もなかった、そしてロボホンにはついに我慢できず、手を出した。
- 今後の成長はAIが学習するのではなく、裏方のソフト開発会社がアプリを作ったり、キーワードを追加するという人海戦術にかかっており、ココロプラン税はそのための人件費に充当され、クラウドの運営費用ではない。
- 初代アイボ@ソニーから17年もの年月が経っているが、それと比べると勝手には動き回れず、ただそこに居座って受動的な応答ばかりなので、感情移入できる人は少ないだろう。
- 初回の予約は約1000台らしいが、重版出来でロビ@デアゴスティーニの12万台に到達する日がいつか来るのだろうか?
- 東証二部転落が決まっている株価を押し上げて、夢いっぱいで絶好調。しかし、夢とは、毒である。
- 単に「録音しておく」「アプリ追加する」「電源入れる」だけのことを、「教える」「成長する」「ココロ起動する」とか、中の人たちのロボホンのあざといとも言える擬人化が気恥ずかしい。
関連記事
RoBoHoN机上に立つ
どれほど予想に違わぬものかを実感するために予約していたロボホンが届きましたので、早速試してみました。初期化の途中に「みょうじ」、「なまえ」、「ニックネーム」をソフトキーボードで入れるところで、日本語入力にする方法がなかなか分からず、わずか2インチのディスプレイに表示されるAndoridと格闘していたら、ひょんなところから設定に入り、日本語手書きモードへ切り替える事が出来て、初期設定は終わりました。(結局いまだにどうやったら切り替わるか不明)
やはり予想通り、決まり切ったキーワードだけを認識し、ルーチンに従った動きをするだけの音声ナビ付きのからくり人形にすぎません。せっかくの音声認識ロボットでありながら、LCDのソフトキーボードで設定させたり、電池の残量を聞いてもキーワードにないので反応ないところなどが演出的に興ざめです。これから成長するという可能性は感じられませんが、しばらく過ごしてみます。
スマホの4倍ほどの箱で届きます
未来をお届けします。
同梱物
シンプルな同梱物と、簡素なスタードガイドが付いてます。スタートガイドは肝心なことが書いてないので試行錯誤になります。
設定で疲れたのでお休み中
写真を撮ってくれたり、プロジェクターで映したりはできますが、料理中に会話をして盛り付けの画像をお皿に見せてくれたり、思い出の写真を投影して感動したりといったココロ通う動きではもちろんなく、単なるルーチン動作で、演出するのは人間のほうです。
i-dio PhoneでV-Lowマルチメディア放送を試す
無料モニターのWi-Fiチューナー編に続いて、今回はV-Lowチューナーをスマホに搭載しているi-dio Phoneで視聴を試した様子をご紹介します。このスマホは Covia製でAndroid 5.0を搭載したQualcomm(MSM8916)ベースのプレーンなスマートフォン(仕様はVAIO Phoneと類似)に、V-Lowと、地デジ放送(ワンセグ)が受信できるチューナーとアンテナを内蔵した製品です。現時点の価格は17,180円まで下がり、値ごろ感があります。
i-dio Phoneはチューナーを標準搭載しているので、Wi-Fiチューナーのような事前の設定は必要なく、i-dioアプリを起動するだけで、すぐに視聴開始できます。ただしi-dio PhoneでもV-Low帯(90~108Mhz)の電波を屋内で受信することは難しいケースが多く、屋外か窓際で行う必要があります。
アプリはWi-FiチューナーのAndroid版と共通で、プリインストールされており、それをPlaystoreから常に最新版に更新して使う仕組みで、現時点の最新版が1.0.4です。アプリが共通であり、起動時にi-dio Phoneか判別し、そうであれば内蔵チューナーで動作するため、Wi-Fiチューナーを選択することができません。前述の通り、V-Low放送を屋内で受信するのは難しいため、屋内では窓際に設置したWi-Fiチューナーから受信し、屋外では内蔵チューナーで受信するという使い分けができないのが残念です。バージョンアップで、アプリで選択できるようになるのが望まれます。
操作方法
2段目のメニューをフリックしながら、目的のチャンネル名をタップすると選局されます。チューニングとバッファリングに時間がかかり、チャンネル切り替えはスムーズとは言えません。バッファリングが長い割には音声が途切れ易いようです。
左上のアイコンををタップすると音量ボリュームと電界強度を示すアンテナピクトが表示されます。
下記は音量ボリュームとアンテナピクト(3本)表示された様子です。i-dioアプリは、Wi-Fiチューナー用のAndroid版と同じなため、音量が小さいです。
選局時に圏外になると失敗し、下記の表記にエラーなります。この場合は圏内に戻てリトライをタップしなければ、再度選局しません。選局時でなければ、圏内に戻ると自動で再生が開始されます。ラジオの動作として、選局失敗でダイヤログを表示して止まるのは仕様として不適当でしょう。
受信感度
下記の2つの周波数帯を共通のチューナーでサポートしているためか、ワンセグの受信感度はガラケーに比較すると若干劣る*1ようですが、どちらの放送波の受信も屋内では内蔵アンテナでは難しいことが多く、屋外か、もしくは窓際は前提です。
UHF-Low(地上波デジタル) 470Mhz~578Mhz
V-Low(マルチメディア放送) 90~108Mhz
*1 ガラケー(ガラパゴス)時代は国産メーカーが隆盛で個々の製品がよく作り込まれており、性能が高かったが、スマホの普及と共に撤退してしまった残念な状況です。
PlaystoreやAmazonサイトで、全く受信できないというレビューがよく見受けられますが、V-Lowの受信にはFM放送や旧アナログテレビ放送と同等な受信環境が必要であり、i-dio Phoneの内蔵アンテナで屋内で受信できることは稀であり、少なくとも窓際近くで、指向性も意識しながら調整する必要があります。視聴には窓際や屋外など電波が受信できる場所で、アンテナを最大限に伸ばしておこなってください。Wi-Fiチューナーと比べるとi-dio phoneのほうが感度はよく、同じ受信環境でアプリが表示するアンテナピクトの数で1本ほどの優位差があります。但しi-dio phoneもWi-Fiチューナーも、microUSBケーブルから給電中は受信性能が落ちるようです。どちらもバッテリーを内蔵しているので、受信状況が芳しくない場合は、ケーブルを外してお試しください。
i-dioアプリを終了させる方法
i-dioアプリを終了させるには二通りの方法があります。視聴中にAndroidのナビゲーションバーの「戻る」をタップすると、完全にアプリケーションを終了し、ハードリソースが解放されるため、その後ワンセグアプリは利用できます。「ホーム」キーをタップして」終了させると、バックグランド動作になり音声の再生が継続され、このままではワンセグアプリによるTV視聴ができません。ワンセグに切り替えるためには、i-dioアプリを終了させる必要があります。
まとめ
i-dio Phone自身はワンセグチューナー機能搭載など、凡庸なSIMフリースマホの中では特徴のある製品です。i-dio放送は、Wi-Fiチューナーと共通のアプリの完成度(仕様、性能、信頼性、UIと操作性)が不十分なことで、サービス性を落としており、早急な改善が望まれます。同時期にスタートして評判のAbeme TVがIP通信であれだけの完成度であるのに対して、i-dioサービスの普及には、このアプリの完成度がボトルネックになっているようです。
仕様
i-dio Phoneでは、屋外や窓際では内蔵チューナーでそのまま受信し、自宅(屋内)での利用時はWi-Fiチューナーを窓際に常設しておくという使い分けが便利だが、i-dioアプリではチューナーの切り替えができない
性能
バッファリング処理が最適でなく、チャンネル切り替えに時間がかかる一方、音声が途切れ易い
信頼性
アプリがダウンしたり、再起動しないとチューニングできないことがある
UIと操作性
メニューや画面構成がよくないので、軽快な操作ができない
再生時の音量ボリュームが適切でない
関連記事
世界初 新放送サービス i-dio対応 Wi-Fiチューナー i-dio Wi-Fi Tuner TUVL01
- 出版社/メーカー: 日本アンテナ
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
i-dio Wi-Fiチューナー(iOS編)
今回はi-dio用Wi-FiチューナーをiOSデバイスで利用する方法をご紹介します。Android版と比べても完成度が低いため、AppleのApp Storeのレビュー結果はほとんどが星一つと散々な結果ですが、新しい放送サービスとしてポテンシャルが高いのは前回の通りですし、視聴できないということではありません。
現時点の最新版は2016/04/06にリリースされた1.0.3版であり、iOS 8.0以降が搭載されたiPhone、iPad、iPod touchで利用できます。
Android版との違いは、iOS版ではWi-Fi Directモードが使えず、必ずAPモードでの接続になる点です。このためV-Low視聴中は、iPhoneのWi-Fi接続はWi-Fiチューナーに占有されてしまい、Wi-Fi経由でのインターネット接続ができません。またiPhoneではBluetoothでのインターネット接続ができないため、屋内であっても携帯通信(LTE/3G)を使わなければなりません。この点はiOS版特有の大きな制約事項です。
1. V-LOWチューナーで受信
V-LOWチューナーでの受信については電源ON方法以外はAndroid版と同じです。前回の記事をご参照ください。電源ON時には、APモードで起動させるため、電源ボタンを長押しします。長押しが認識されると、LEDが緑点滅開始し、APモードで動作していることを示します。
2. Wi-Fiでスマホへ伝送
Wi-Fiでスマホに伝送する際に、APモードを使います。APモードでは、Wi-Fiチューナーは、インターネット接続(アップストリーム)のない、Wi-Fi AP(アクセスポイント)として動作しています。これに対して、iPhoneからは設定を開き、通常のAPへ接続する手順に従い、V-LOW地チューナーにアサインされているSSIDを選択し、パスフレーズを入力することで接続します。
SSID V-Low<製品シリアル番号(8桁)>
パスフレーズ 76543210
3. Wi-Fiチューナー本体の課題
Wi-Fiチューナー本体の課題はAndroid版と同じです。前回の記事をご参照ください。
4. スマホとi-dioアプリ
Wi-FiチューナーへAPとしてiPhoneが接続されている状態で、i-dioアプリを起動することで視聴ができあmす。iOS版のアプリは最新版が1.0.3で、Android版よりもさらに不安定です。Android版は音量ボリュームが低いですが、iOS版は問題ありません。
突然再起動したり、下記のようなエラーがよく発生します。
エラーで再起動
選局に失敗
Wi-Fiチューナーから切断
周辺にある他の以前に接続したことのあるインターネット接続が可能なAPへ切り替わってしまうことがよくあります。こうなるとV-Lowチューナーとは切断されており、V-Lowの視聴はできません。設定に戻り、V-Lowチューナーへ接続しなおす必要があります。
まとめ
iOS版は無線APモードで使わなければならない利便性の低さ、アプリの不安定さなどから、できればAndorid版での利用が望ましいですが、視聴できないわけではないので、お試しいただくことは可能です。iOS版は特に早急なアプリのバージョンアップやWi-Fi Dircetの対応が求められます。
次回はV-Lowチューナーを直接搭載しているi-dio Phoneについてご紹介します。
関連記事
i-dio Wi-Fiチューナー(Android編)
はじめに
i-dio(アイディオ)は、アナログテレビの放送が終了した後のVHF-Low帯の電波を用いたデジタル放送(V-Lowマルチメディア放送)であり、エフエム東京の100%子会社のV-Lowマルチメディア放送を推進しているVIP社が、V-Lowマルチメディア放送における特定基地局認定を受けて行っている新しい放送サービスです。
2016年3月に福岡・東京・大阪から放送が開始され、それに合わせてWi-Fiチューナーが無料モニターとして配布されていましたが、第2期の4月末で一旦終了となり、14,800円(税抜)にて5/13より販売されています。(いまだ商品レベルには達していると思えないですが)
地上波最高音質とするAAC形式/320kbpsで放送し、2017年にはHDS「96kHz」音源にも対応予定のTS ONEをはじめとして、新しい放送サービスとしてのポテンシャルはあるのですが、残念ながら完成度が十分でないため、モニターでのレビュー結果は散々な状況です。Wi-Fiチューナーはこれまで無料モニターだけだったので、ユーザーのレビューはPlaystoreのi-dioアプリに集中しており、大多数が最低評価の星一つです。AppleのApp Storeのレビュー数は少ないですが、同様にほとんどが星一つです。
受信環境を整えるのにのある程度の知見が必要なのに対し、解説が不十分なので、実体以上に低い評価になっています。ここではその一助となるべく、利用時の注意点をまとめてみました。リリース時はアプリの完成度がさらに低く悲惨な状態でしたが、現時点の最新版1.0.4でAndroidでの利用であれば、ある程度安定した運用は可能です。しかしWi-Fiチューナーのファームウェアも、スマホのアプリも依然として完成度は十分とは言えず、コンテンツの充実と共に、今後の改善が求められます。
この記事内容はNexus 5X(Android 6.0.1)、V-LOWアプリは現時点の最新版(1.0.4)で確認を行ったものです。
Wi-Fiチューナーの理想的な利用法
このWi-Fiチューナー(日本アンテナ製)はバッテリー内蔵のV-LOWチューナーであり、放送波を受信し、それをWi-Fiで吹き直すことで、V-LOWチューナーが搭載されていない一般のスマホで、V-LOW放送の視聴を可能にするものです。V-LOW放送は従来のFM放送や旧アナログテレビ放送と同様の周波数帯が使われているため、一般的には屋内での直接受信は困難です。このためWi-Fiチューナーを窓際に設置するか、外部アンテナを有線で接続し、その受信した放送波をWi-Fiに変換することで、スマホで屋内での受信を可能にします。日常的にこの状態で常設しておけば、スマホからいつでも視聴ができます。さらにバッテリー内蔵のため、緊急時に停電になった場合でもWi-Fi Directのため視聴が可能です。(Androidのみ)
外出時の利用ももちろん可能ですが、利便性には優れないため、外出時よりも屋内での利用がメインになると思われます。外出時の視聴については、i-dio phoneを使うケースを次回以降でご紹介予定です。
屋内での視聴(理想的)
窓際で付属のロッドアンテナを伸ばし、外部電源を接続し常時稼働する。
(ロッドアンテナで受信感度が十分でない場合は、外付けアンテナを接続)
スマホとWi-Fi Directで接続し、同時にWi-Fiでのインターネットアクセスも同時に確保する。
スマホはWi-Fiの到達圏内では、屋内を自由に移動して視聴できる。
視聴開始の度に、Wi-Fiチューナーの操作(ON/OFF)が必要ない。
スマホはBluetoothスピーカーとペアリングし、高音質なスピーカーで視聴する。
外出時の視聴
Wi-Fiチューナーを十分充電して、スマホと共に持ち歩き、視聴には鞄から取り出して、ロッドアンテナを伸ばし、Wi-Fi接続して視聴を開始するというのは煩雑であり、実用性が低い。
各項目での注意点
Wi-FiチューナーはV-LOW放送を受信したものを、Wi-Fiで吹き直す構成のため、潜在的に問題が起きやすい点が複数あり、上記の理想的な利用環境を実現するのに、各項目で注意事項があります。すべての機能が正常に動作すると、安定的に視聴することができます。
図. Wi-Fiチューナーのシステム構成
1. V-LOWチューナーで受信
V-LOWの周波数帯は、地上アナログテレビ放送停波後のVHF、つまり旧1〜3チャンネルが使われており、ここはFM放送に近接した周波数帯です。つまりFM放送や旧アナログテレビ放送が受信できる程度の受信環境を整えることが必要です。
Wi-Fiチューナー内蔵の本体ロッドアンテナだけで受信できる場合もありますが、場所によっては電波が弱く、雑音(ノイズ)やアンテナ指向性などの問題から、安定した受信ができないことがあり、結果としてアプリ上では、受信ができないという表示になります。ノイズにより受信に影響があると、音や映像が途切れます。
対策方法
WI-Fiチューナーの設置場所、アンテナの向きに留意し、十分に受信できない場合は、外部アンテナを利用します。
FM放送との比較
日本ではテレビが先行して使っていたVHFローバンドが、この度FM陣営に晴れて返却された格好です。
日本以外 88~108Mhz
日本 76~90Mhz(90~108Mhzの18MhzがVHFローバンド)
2. Wi-Fiでスマホへ伝送
V-LOWチューナーでの受信したストリームは、2.4Ghz帯のWi-Fiを使ってスマホへ伝送します。屋内では2.4Ghzは干渉や到達距離の問題があり、パケットロスや接続が遮断されることがあります。iOSとAndroidで接続方法が異なり、モード切替による二者択一で、併用はできません。
Wi-Fi Direct(Android)
Androidで使う場合は、Wi-Fiチューナー側で、Wi-Fi Directモードを選択します。Wi-FiチューナーがOFFの状態(LEDが消灯)で、短く電源ボタンをワンプッシュすると、Wi-Fi Directのモードになり、LEDが緑点灯になります。V-Lowアプリで、Wi-Fiチューナーが接続されていない場合に、下記の設定画面が表示されます。
iOSで使う場合は、さらに不安定で別な制約事項があります。これは次回ご紹介いたします。
V-LOWチューナーとスマホがWi-Fiの受信圏内にある場合に、下記のように検出されたチューナーが表示され、それを選択(タップ)すると接続されます。距離が離れすぎていたり、無線の干渉が多い場合は接続に失敗することがあります。
Wi-Fiでスマホに伝送する場合も様々な下記の似たような症状が発生しますが、これはV-Low放送波を受信できていないか、Wi-Fi伝送に失敗しているかの二つに大きく分別され、対策はそれぞれに異なります。
音声や映像が途切れる
Now Tuning !のまま停止
「選局失敗」....など
Androidアプリ特有の問題で、最新版1.0.4でも音声ボリュームが低めで聞き取りにくいです。(iOS版は特に問題ない)
対策方法
放送波の受信不良の対策は前項の「V-Lowチューナーでの受信」を参照してください。
スマホとV-LOWチューナーの距離が近いと切れにくいので、最初は近くで試してください。
利用中になんらかの理由でWi-Fi Directが切断された場合、選択メニューへ戻れないため、アプリを強制終了させなければなりません。手操作によりアプリを再起動してください。
一定期間スマホへの伝送が行われないと、WI-Fiチューナーは、USB給電されていても、自動で電源OFFになるため、再接続するには、Wi-Fiチューナーの場所に戻って、電源ONする必要があります。遠隔操作ではONにはできないため、再度起動操作を行い、LEDが緑点灯になっていることを常に確認してください。
3. Wi-Fiチューナー本体の課題
当初は充電中は利用できない制限があったようですが、改善されているようです。不思議なのはファームウェアアップデートの手順が不明で、自動でアップデートされるのかもしれません。
バッテリーでの動作中に比べて、充電中の動作が不安定な感じがします。これは電源ノイズが受信の感度を下げている可能性があります。Wi-Fiチューナーは特に常設して使うため、充電中はより受信感度を確保できる環境にする必要があります。
4. スマホとi-dioアプリ
アプリは最新版1.0.4でも不安定さが残っており、終了してしまうことがあります。再度起動することで利用再開できます。この他にもアプリの完成度(安定性や操作性)には大きな改善余地があります。
5. アクセサリー
Androidアプリの音量が小さいこともありますが、より高音質で楽しむために、Bluetoothスピーカーとの連動が良いです。Bluetoothペアリングをすると、V-LOW受信、Wi-Fi Directに加えて、3つの無線通信で動作することになりますが、ここまでの設定がうまくいっていれば、安定して視聴できます。
6. ブラウザー
V-LOW放送はアナログテレビの3チャンネル分(地デジ放送の3チャンネルに相当)を、42チャンネルに分割して使っているそうですが、そうすると1チャンネルは1セグよりも少ない帯域となります。画面はガラケー時代を彷彿とさせる貧相な構成で、利用されているシステム(ブラウザー)は不明ですが、IP放送でありながら、同時期にスタートしたAbebaTVとの差があまり顕著で、ここは大幅な改善が求められます。現状は動画コンテンツも紙芝居に音声の鷹の爪団的なものに限定されています。逆説的に言うと、鷹の爪団は現状のV-LOW放送には最適なコンテンツです。
まとめ
Wi-Fiチューナーは、Playstoreなどでは低評価ですが正しく設定できれば、安定して使えます。i-dioの放送コンテンツ(音声)は、いわゆるエフエム東京のクオリティーレベルであり、その価値は担保されていますが、新しいメディアとしての修練度はまだこれからです。前出のようにAbemaTVがIP放送で、これが無料でありながら、圧倒的な帯域確保と安定性が実現されており、放送波を使うV-Lowをはるかに凌駕しています。
i-dioのサービス自身は無料であり、これまではWi-Fiチューナーも無料配布されていたので手軽に試せました。これからの本格普及には様々な改善が求められるでしょう。基本機能としては、まず下記が修正されると利便性が向上すると思います。
- Wi-Fiチューナーで充電しながら動作している場合には、自動でスタンバイ(電源OFF)にならないようにする
- Androidアプリで、Wi-Fi Directが切断された場合に、設定画面から再設定可能にする
- Androidアプリの音量ボリュームを適正にする
AbemaTV
V-Lowのメリットは放送波によるブロードキャストですが、AbemeTVはIP放送でありながら、V-Low以上の番組放送を実現しています。
次回以降はiOSでの利用、V-LOWチューナー搭載i-dio phoneなどをご紹介予定です。
世界初 新放送サービス i-dio対応 Wi-Fiチューナー i-dio Wi-Fi Tuner TUVL01
- 出版社/メーカー: 日本アンテナ
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
NuANS NEO Continuum探訪
はじめに
市場参入では先んじていながら、残念ながらモバイル市場で圧倒的にAppleとGoogleの後塵を拝してしまったMicrosoftが、Windows 10 Mobileで起死回生を図るための売りの1つがユニバーサルWindowsプラットフォーム (UWP) であり、その共通のUniversal Windows app frameworkにより、PC、タブレット、電話などのデバイスの違いを吸収するアプリが開発できることと言われてますが、Continuumはそれを最大限に生かすためのMicrosoftの提案であり、他のプラットホームにはない唯一のアドバンテージと言えます。しかしそもそもアプリが少ない中、Continuumで動くアプリはさらに限定される現状でもあります。
ContinuumはWindows 10 Mobileをデスクトップのようにも使えるという点で注目を集めていますが、そのハードウェア要件は高く、MSM8909/8916を採用した多数のWindows機(マウスやFREETELなど)では利用できません。NuANS NEOとVAIO Phone Bizは対応可能で、TrinityとVAIOの両方が自分たちがMicrosoftに働きかけたことによってギリギリにContinuum対応に含まれたとされるQualcomm製のミッドレンジ向けSOCであるMSM8952(Snapdragon 617)が採用されています。当初はMicrosoftはSOC性能の点でMSM8952はドロップしていたほどなので、Continuumの利用にはやや不安があります。
NuAND NEOはType-Cコネクタを搭載していますが、MSM8952(Snapdragon 617)はUSB3.0には非対応であり、どちらもディスプレイモニターとの接続方法が無線しか選択できない点が、最大の制限事項です。特にNuANS NEOは2GBのメモリ容量のため、1280x720のHD解像度に制限されており、4KやフルHDなどの大画面に出力した際には引き伸ばして表示されるため、元の表示解像度の低さが気になります。その点はVAIO Phone Bizは3GBのメモリを搭載しているため、1920x1080のフルHD解像度(実際の動作は未確認)になると思われます。
NuANS NEOでの実際のスクリーンショット(1280x720)
Continuumでスクリーンショットを撮るには「Print Scr」キーを使います。
VAIO Phone Bizなどで実現できる1920x1080のスクリーンイメージ
NuANS NEO
現時点ではNuANS NEOのみが国内使用可能(技適所得済)なため、これで実際の動作を確認してみます。とりあえずNuANS NEOで下記のような構成で、Continuumを動作させてみると、あまりの実用性の低さにがっかりするかもしれません。このようにNuANS NEOでContinuumを使うためにはかなり試行錯誤が必要で、ここではその経緯を抜粋してご紹介します。
ディスプレイ
2.4Ghz対応の一般のMiracastドングルや最近のテレビに標準装備されているミラーリング機能を使います。
SONY BRAVIAに装備されているスクリーンミラーリング機能
キーボード
Bluetooth英字配列キーボード(Anker製)を本体にペアリングして使用します。
ポインティングデバイス
NuANS NEO自身のLCDタッチパネルをそのまま使います。
Continuum動作中は本体がタッチパッドとして使える
この構成ではカーソルの操作に画面表示が十分に追いつかず、キーボード操作も困難で、あまり実用性はありません。主原因はディスプレイの表示遅延ですが、キーボートとポインティングデバイスにも課題があります。マウスカーソルを速めに「くるくると」その場で回転させてみると、カーソル表示は一周遅れるほどの表示遅延があることがわかります。またこれはContinuum自身の問題ですが、LCDが常時ONで消灯できないため、電力消費が抑えられないという難点があります。
ディスプレイ性能を改善
NuANS NEOでは有線接続(Wired Connection)がサポートされていないため、無線接続(Wireless Connection)の中では最も定評があるActiontec製ScreenBeam Mini 2 Continuumを利用してみます。見かけは頼りない中華SOCを採用した普通のMiracastドングルに見えますが、最新のFW(ver 5.3.9.0以降)であれば、給電用のmicroUSBコネクタにYケーブルを接続することで、ここにUSBデバイスを接続することも可能で、Wireless Dongleだけでなく、Wireless Dockとして機能し、ここにマウスとキーボードを接続することができる意外と便利なものです。
設定やファームウェアの更新にも専用のアプリが必要で、ストアからダウンロードする必要があります。
これはWi-Fiダイレクトで接続しますが、2.4Ghzでの無線接続は他のデバイスとの干渉があります。Bluetoothも2.4Ghz帯であり電子レンジの干渉や他の多くの周辺のデバイスとの干渉があるため、5Ghzで接続するのが望ましいのですが、これを明示的に5Ghzを選択する方法が見つかりません。次の方法で、5Ghzでの接続と実際に接続されていることが確認できます。
1. NuANS NEO自身を5Ghzの無線ルーターに接続した後に、この状態でミラーリングを開始する。
2. Wifi Analyzer (Android版)などで、5Ghz接続を確認する。
Wifi Analyzerで5Ghzの信号をモニターすると、下の2つ山がMuANS NEOと無線ルーター、その上のDIRECT-EHWindowsGphonePQEQというのが、ScreenBeam Mini2で、すべて5Ghzで動作していることがわかります。
これにより無事に5GhzでMiracast接続しており、達成可能な最大のパフォーマンスに到達できています。
キーボードとマウスを改善
マウスとキーボードは1個のUSBドングル(2.4Ghz無線)で両方を賄うタイプが望ましいです。Bluetoothは干渉による接続性(ペアリング)や操作性に問題が起きやすいため、これをNuANS NEOのOTG機能を使って本体に直結するのが安心です。
ここでNuANS NEOはUSB2.0でありながら、無駄にType-Cコネクタを採用しているため、Type-C対応のOTGアダプターが必要です。数個購入して試したが、動かないものもあるのでご注意ください。AnkerやAukey製のものは大丈夫でした。
試してみた複数のType-C OTGアダプタ
本体を充電しながらOTG対応しているアダプタが理想ですが、まだ見つけられていません。このためContinuum利用中にOTGを使うには、本体のバッテリーで駆動しなければならず、バッテリーの消費が避けられません。さらに悪いことに、NuANS NEOはOTG使用状態でバッテリーゲージが動かないバグがあるようで、OTG使用中のバッテリーの残量がわかず、突然に電源が落ちます。
このYケーブルは動作せず(充電も不可)
実際にロジクールの製品を試してみましたが、特に不都合はありません。Microsoftキーボード配列のため、もちろんWindows 10との親和性があり、日本語・半角英数字の切り替えに迷わない点もお奨めです。英語キーボード配列は、切り替えがままならず、操作性に劣ります。
Type-C型OTGアダプタ、ロジクールドングル、マウス&キーボード
Bluetoothマウス
Bluetoothマウスは消費電力も大きいためにやや重く、あまりポピュラーではありませんが、USB OTG中は充電ができないため、代替案として検討中です。下の2品種を試してみましたが、特に不都合はありません。Windowsボタンが付いているので便利かもしれません。
Wireless Dock化してみる
ScreenBeam Mini2にYケーブルを用意することで、USBホスト機能を有効にし、Wireless Dockとして使うことができます。USBポートに先ほどのロジクールのUSBドングルを装着すれば、マウスキーボードがMiracastのWi-Fi通信を経由して接続できます。これによりOTGポートが解放できるため、本体へ給電しながら利用できます。配線はこのように入り組みます。
ScreenBeam2 Miniの専用ユーティリティーでUSBローカルアクセスモードがONになっていることを確認してください。ファームウェアが5.3.9.0より古い場合は、この専用ユーティリティーで最新に更新してください。
Wireless Dockの操作感はほとんどOTG接続の場合と変わらず、今のところ支障はないようです。まだ試行錯誤は続ける予定ですが、今日はここまでです。
まとめ
ここまでにかかった労力に対して、得られるのはスティックPC程度のエクスペリエンスであり、とても見合わない感じですが、こうした初物は楽しいものです。しかしマウスやキーボード、ScreenBeam2、各種ケーブル、電源類を持ち歩いてまで、ノートパソコンの代わりにスマホを使いたいとは思えません。当面は初物好きなマニア向け、いわゆるアーリーアダプタ向けでしょう。本命は今後出てくるであろう価格的にも同等レンジなMSM8953(Snapdragon 625)以降のSOC採用機からであり、ここでのUSB 3.0対応で有線接続(Wired Connection)が可能になるのがポイントです。それがMicrosoftの当初の構想だったのが、TrinityかVAIOのおかげで、無線オンリーのMSM8952で未成熟なままのお披露目になったようです。MSM8952はワンポイントリリーフのような位置付けのSOCとなるでしょう。(USB3.0非対応が中途半端)
実用をお考えの方は、有線接続ができるタイプを待った方がよいでしょう。特に企業内などで多数の端末が同時にWi-Fi Miracastで安定的に動作するとは思えません。
今回試したデバイス類
LOGICOOL ワイヤレスコンボ mk240 ブラック MK240BK
- 出版社/メーカー: ロジクール
- 発売日: 2014/09/26
- メディア: Personal Computers
- この商品を含むブログを見る
Actiontec ScreenBeam Mini2 Continuum SBWD60MS01JP
- 出版社/メーカー: Actiontec
- 発売日: 2016/02/01
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
Aukey USB3.0 USB(メス) to Type-Cアダプタ 変換コネクタ USBケーブル 新しいMacBookに対応 裏表関係なく挿せる 高速転送可能 (ブラック)CB-A1
- 出版社/メーカー: Aukey
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る