アクションカメラやウェアラブルカメラという新しいカテゴリーのカメラが、広く認知されてきており、家電量販店のカメラ売り場の中で占める面積も大きくなってきました。その中でも一際目立つのは米国のベンチャー企業のGoProであり、この分野の先駆者としてソニーやPanasonicの追随を許さない状況が続いています。
Woodman Labs社はこのGoProブランドのスポーツカメラ(アクションカメラ)を企画・販売するベンチャー企業であり、世界最大の電子機器製造メーカーであるFoxconn社から出資と製造の提供を受けています。同社はデジタルカメラやハンディカムの市場がスマートフォンの登場により縮退の一途をたどり、撤退や統廃合が進むデジタルカメラ市場の中で、世界的な大ヒットを飛ばしました。これにより、昨年NASDAQに上場した同社は、今ではニコンに匹敵する時価総額を誇っています。また同社のGoPro Heroシリーズは、Google傘下のNest社に約555億円で買収されたDropcam社の家庭用監視カメラと同じAmbarella社のASSPを採用、Ambarella社自身も群雄割拠のカメラ用ASSP市場の中、この2大カメラベンチャーの両方に採用される卓越した製品力により、2012年にIPOを達成しています。こうした完全な成功の方程式に従って、躍進を続けており、その商品展開は3万円のHero3を中心に、4K対応などの高価格路線になっています。ウェアラブルやIOTと騒がれる市場の中ですが、実際に販売実績を上げている会社は少なく、現時点で最も成功しているウェアラブルのメーカーと言えます。
GoPro Founder & CEO Mr. Nick Woodman
こうした広がっているアクションカメラ市場ですが、本格的にエクストリームスポーツを楽しむユーザー層ではなく、手軽にアクションカメラを楽しみたいライトユーザー層にはHero3は少し高すぎて、大きすぎる懸念がありました。しかし低価格なアクションカメラは、性能的にトイカメラの域を脱しておらず、あまり適当な製品がありませんでした。PolaroidのアクションカメラCubeはこのGoProがカバーしない領域を狙ったよく練られた製品であり、安価で手軽でありながら、本格的な広角のフルHD動画の録画ができる製品であり、GoProと同様にFoxconnに製造委託されていることから、品質面も安心できます。
Polaroid Cubeの特徴
強力な磁石により、相手が金属であれば、そこに固定して撮影が可能
防水・耐衝撃性を持ちながら、廉価なアクションカメラ
124度の広角レンズ
サイコロのような立方体の形にラバー塗装が施されており、見た目から堅牢な感じ
microSDカードスロットに挿入するメモリカードに記録する
GoProと同様に多数のマウンティングオプションが用意されている
内蔵バッテリーにより90分の連続録画が可能で、microUSBコネクタから給電すれば無限に録画可能(上書きモード)
前置きが長くなりましたが、今回はこのAmazonの平行輸入などで人気だったCubeがようやく国内正式発売されましたので、レビューします。今回は初期設定編です。
初期設定
まずmicroSDカードを挿入します。(最大容量の32GB品を推奨)
通常の使い方は、わずかに1個のスイッチと、1個のLEDと、ビープ音のみの非常にシンプルなユーザーインターフェースですが、使い始める前に必ず初期設定をPCかMACを使って行う必要があります。付属のmicroUSBケーブルでPC/MACと接続すると、Cubeの内蔵ストレージに格納された1つのフォルダ(DCIM)と2つのファイルが見つかります。2つのファイルのほうが、それぞれPCとMAC用の設定アプリケーションです。ここではMACのほうで説明しますが、PCもほぼ同等です。
PolaroidCube.app.zip (MAC用 解凍が必要)
PolaroidCube.exe(PC用 実行して解凍)
解凍するとPolaroidCubeというアプリが現れますので、実行してください。この時圧縮ファイルをPCやMAC側にコピーして解凍すると、下記のエラーが発生し、カメラにアクセスできません。必ずCube内で解凍と実行する必要があります。
アプリの実行に成功すると次の画面が表示されます。
必須設定項目はライト頻度を東日本か(50Hz)、西日本(60Hz)かで 選択することで蛍光灯の影響を低減させることと、日付と時刻です。これを行わないと生成されるファイルの日付が正しくなく、室内で撮影した場合の蛍光灯の影響によるフリッカーが生じますので、必ず最初に設定しましょう。それ以外は適宜設定してください。
操作方法
下記のように非常に直感的に操作できます。
電源オン
メインスイッチの長押しで、3回のビープ音を発生し、LEDが緑点灯します。
スチル撮影
メインスイッチの単押しで、1回のビープ音を発生し、LEDが一瞬赤になります。
動画撮影
メインスイッチの3回連続押しで、2回のビープ音を発生し、LEDが赤点滅になり、録画中を示します。単押しで、1回のビープ音を発生し、LEDが緑点灯に戻り、動画撮影が終了します。
電源オフ
メインスイッチの長押しで、2回のビープ音(ピーピッ)を発生し、電源が切れます。
撮影した画像や動画
Cube自身には再生機能は持っていないため、USBケーブルでPCやスマートフォン(OTG対応)に接続して再生します。録画される動画はフルHD(1080P)のため、古いパソコンでは再生できないものもあります。
豊富なマウンティングオプション
AmazonやYahoo!ショップで購入できます。
公式サイト
動画を使ったわかりやすい製品説明があります。
ポラロイド アクションビデオカメラ 「Polaroid CUBE」