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ハイレゾオーディオと格安スマホ - 第6回 -

前回に続きハイレゾの再生環境を安価に整える方法をご紹介します。これまではスマホでモバイル環境での再生でしたが、ここでは購入したハイレゾ音源を有効活用するのが目的です。今回は下記の構成でデスクトップ再生ができる環境を構築するためのパーツのご紹介です。どれもamazonで調達可能な安価なものをセレクトしました。実際の再生方法は次回からのご案内となります。

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ハイレゾ音源のサイズ

現在配信されているハイレゾ音源の形式はFLAC, WAV, DCDが多く、現時点では96Khz/24bitのFLACが代表的ですが、最近は192Khz/24bitも増えています。心理的にも値が大きいほうが音質が良さそうであり、今後は192Kz/24bitが主流になるでしょう。これ以上はデータサイズが大幅に増えるのに加えて、モバイル機器での再生は消費電力的にも厳しくなります。
データサイズがどれくらいかと言うと、ノラジョーンズの「Come Away With Me」は192Khz/24bitのFLAC形式で、アルバム全14曲の合計サイズは3.15GBです。(moraで購入) モバイル機器の進化は今でも留まることを知らず進んでいますが、1アルバム3.15GBというのは容量的にも、データ転送スピード的にも小さいとは言えないサイズです。

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モバイル機器での再生

ハイレゾウォークマンやキャリア系のAndroid端末などでは直接再生もできますし、USB-DACを接続すればハイレゾ非対応のAndroidスマホやiPhoneでも、手軽にハイレゾ音源を楽しむことができます。しかしこうしたモバイル機器での視聴時は、イヤホンやヘッドホンで聴くことになり、充分にハイレゾ音源の音質を再現できなかったり、データサイズの点からも利便性に難があります。これは一般にはモバイル機器は回路の集積度が高く、デジタルとアナログが同一ボードに混在することからくる電源ノイズや、搭載されているパッシブ部品や筐体の制約などから、高価な専用機には及ばないからです。

その一方でハイレゾ音源はいまだプレミアムコンテンツのため、購入の際のコストが気になります。せっかく購入したハイレゾ音源を充分高い品質で、モバイル以外で手軽に楽しめる方法として、今回はハイレゾ対応の据え置きプレイヤーを市販のUSB-DACを使って非常に安価に構成する方法のご紹介です。前回ご紹介させていただいたように、スマホにUSB-DACを接続し、その出力をアンプにつないで再生することもできますが、この場合は大容量のハイレゾ音源をスマホに格納しておく必要があること、再生中は充電ができないため、バッテリー容量が減ってしまうこと、電話がかかってくると中断されてしまうことなどの難点がありました。

 

Raspberry Pi(シングルボードコンピューター)

Raspberry Pi(ラズベリーパイ)はイギリスのラズベリーパイ財団によって開発されているARMベース(BROADCOMチップ)のシングルボードコンピューターで、組み込みボードの一般コンシューマーへの販売としては、これまでで最も成功したものであり、次々と進化版がリリースされています。

今回は現時点で最も性能の高い最新版のRaspberry Pi2を使いますが、それでも価格は6,000円程度(ケース込み)です。Amazonで気軽に購入ができます。
これは本体のみなので、電源は5V/2AのACアダプターを用意し、microUSBケーブルで本体に給電します。Raspberry Pi2には4基のUSBポートが搭載されており、これらへの給電も必要なため、安定動作のために5V/2Aタイプをお勧めします。ここからUSB-DACへの給電も行われるため、電源ノイズを気にされる方は利用するACアダプターをノイズの少ないものを選択してください。

もう一つは起動用のmicroSDカードです。システムを予めパソコンで書き込んでから、Raspberry Piボードへ挿入します。これだけでシステムを起動させることができます。
Raspberry Piは非常に人気の高い製品のため、ネットでの情報が豊富で、組み込みボードの扱いに慣れていない方でも、思ったより簡単に動作させることができるでしょう。失敗しても、システムは全てmicroSDカードに書き込まれる構成のため、何度でも最初からやり直すことが可能です。

Raspberry Pi2 Model B ボード&ケースセット (Standard, Clear)

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USB-DAC


今回もDeff製のハイレゾ対応ポータブルヘッドホンアンプ DDA-LA20RCBKを使いますが、残念ながら96Khz/24bit止まりであることや、VIA製のDACチップのため、現時点では充分に満足行く音質が出せません。低消費電力な192Khz/24bit対応のUSB-DACが発売されるのが待たれるところです。DDA-LA20RCは大幅に値段が下がっているので、新製品の登場が近いのかもしれません。

Deff Sound ハイレゾ対応ポータブルヘッドホンアンプ DDA-LA20RCBK

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デジタルアンプ

これは前回見つけて気に入ってるLepai社LP-2020Aを使います。伝説のデジタルアンプIC Tripath TA2020を搭載した出力:2chステレオ(20W+20W) @4Ωのデジタルアンプです。チップの生産はすでに終了しているので無くならないうちにお求めになることをお勧めします。

Lepai デジタルアンプ LP-2020A+ Tripath TA2020-020 シルバー

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金メッキのオーディオケーブル

USB-DACとデジタルアンプの間は金メッキのケーブルを用います。

Amazonベーシック ステレオミニプラグ オーディオケーブル 1.2m

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ハイレゾ音源の保存用のストレージ

USBメモリのほうが手軽に使えますが、1アルバムが3GBにも達するハイレゾ音源の保存用にはUSB接続のハードディスクが良いでしょう。

Transcend USB3.0/2.0 2.5インチ ポータブルHDD 耐衝撃 M3シリーズ 2TB 3年保証 TS2TSJ25M3

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セルフパワーのUSBハブ

Raspberry Pi2のUSBポートに直接バスパワーの2.5インチハードディスクを接続して動作させるのは難しいため、セルフパワー型のUSBハブで中継し、HDDへの給電はここから行います。USB3.0対応である必要はないのですが、必ずACアダプター付きのセルフパワー型を選択してください。

iBUFFALO スマートフォン/タブレット用 USB2.0ハブ(ACアダプター付) USB A変換アダプター付 BSH4AMB01BK

 

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